Ryu

学校IIIのRyuのレビュー・感想・評価

学校III(1998年製作の映画)
3.7
山田洋次の「学校」シリーズ第3作目。

10年前に夫を亡くし自閉症の息子と2人で暮らす小島紗和子は不況により務めていた会社を解雇され、再就職のために職業訓練校に通うことになる。

1作目・2作目と主人公を演じた西田敏行は今回は参加せず、作風もだいぶ変わったなぁという印象です。今作は舞台が舞台なので色々な面で“大人”要素が強かったと思います。
ある程度歳をとってからの再スタートを深く描くのかなと思っていたら、途中から恋愛要素が強くなってきました。歳をとってからの再スタート・歳をとってからの仲間たち みたいな部分をより濃く描いてほしかったという思いもありますが、主人公の紗和子がホントに素晴らしい女性で、彼女が幸せになってほしいという思いがどんどん強くなってきました。
前2作では先生と生徒の関係が強く描かれておりましたが、今作では同じ学び舎の仲間たちの繋がりを濃く描いていて、こういう関係っていくつになってもイイもんですね〜。特に今作の生徒たちは勉強に対してのの気持ちが普通の学生とは全然違うし、社会でたくさんのことを経験してきた人たちだからこその団結感みたいなものがあってホッコリします。
授業の内容も自分が工業高校で習ったものの応用みたいな感じで、久々に頭痛くなりました(笑)。こんな内容を日々の生活をしながら勉強するってホントにスゴいと思います。
前2作とはガラッと変わったテイストでしたが、今作には今作ならではの良さがあったと思いました。
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