踊る猫

Dolls ドールズの踊る猫のレビュー・感想・評価

Dolls ドールズ(2002年製作の映画)
4.2
『BROTHER』で見せた、何も語らないことによって全てを語らせるという手法がここでも活きている。北野武監督の美学が凝縮したような一作なのではないかと思う。北野武監督と言えば言うまでもなく「キタノブルー」だが、ここでは桜並木のピンク色や紅葉の赤色、そして菅野美穂氏が着る着物や西島秀俊氏と双方を繋ぐ赤い色が冴えている。これは谷崎潤一郎に対するオマージュなのではないか? そんなことを考えてしまった。赤い紐が何を意味するかは言うまでもないだろうし、あるいはサブ・ストーリーとしてアイドルが再起不能になったことを知った追っ掛けが自らの目を潰したことを告白したこともまんまである。善かれ悪しかれ、ジャポニズムを全面に出した作品。つまらなくはないが苦手な作品である。
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