父母ともに癌

日本以外全部沈没の父母ともに癌のレビュー・感想・評価

日本以外全部沈没(2006年製作の映画)
1.7
日本以外が全部沈没して、世界中から外国人が日本になだれ込んでくることから起こる悲喜劇。

別に映画にしなくていいな、って感じ。
小説はとても面白いんだけど、これは想像するからで。
実際に小説に書いてあるその人々のその姿をちゃんと読者は想像することによって面白味が増す作品だと思っていて。
これは日本沈没をパロディしている以上に、虚構の世界で完結させずに、実際の世界のパロディとしても書かれている作品なのだ。

だから映画として作って、想像をさせずに映像として目の前に現れると、それはリアリティを失ってしまうし、物まね芸人が出演したり、キム委員長に似せた衣装メイクをした男が出てきてしまうと、現実世界のパロディの楽しさ、が減じてしまうように思う。

結局ただの日本沈没のパロディならば筒井康隆だってそんなものは書く訳が無い。
この小説は実際の世界をパロディしたドタバタが魅力で、外国人たちが日本に同化する為に苦労する、という大喜利から発生するギャグの鋭さがスゴいんだけど、それもあんまり上手く盛り込めていない。

小説は10分で読める、映画は100分ある。けれど小説のほうが随分面白い。うーん。意味が無い。


でも筒井康隆が画面に出てくると喜んでしまいますね。ちょうどカッコいい時期だし。それをみる価値はある。
父母ともに癌

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