継

遊びの時間は終らないの継のレビュー・感想・評価

遊びの時間は終らない(1991年製作の映画)
4.5
警察がマスコミ受けを狙って実施した “筋書きのない” 防犯訓練。
それはもちろん建前で、銀行に押し入った強盗を速やかに逮捕して予定通りに終わるはずだったのだが、犯人役を演じる平田巡査(本木雅弘)は筋書きがないのを真に受け、ただひとり全力で犯人役の任務を遂行する。
客を装って逮捕しようとする警官を逆に制圧し、行員を人質に立てこもり、ここに壮大な「銀行強盗ごっこ」の幕を切って落とすのだ!

真面目で融通が利かず、ひとりだけシリアスに犯人をこなす平田巡査役・本木雅弘の素っ気ないカンジが妙にハマッたブラックコメディ。
周防監督の下で主演した『しこふんじゃった!』と同じ '91年公開作品だそうですが、キャストは負けず劣らず豪華だし、何故こんな差がついちゃったんでしょう?自分は断然コッチを判官贔屓します(^-^)!。

銀行前に押し寄せる野次馬(屋台がでてる、笑)を俯瞰で映す警察のヘリ。
警察と平田のシュールな攻防は、やがてマスコミが嗅ぎ付けてテレビで生中継されます。市民の目に晒されることで強制的に止めさせると威厳やメンツが保てないからと中止に出来なくなっちゃうんですね、この辺のくだりは上手~く描かれてました。

警察は何度も平田を確保するんですが、衆人環視の強盗ごっこは「現実の事件だったら出来ないこと」はルール違反。ドロケイとか子供の遊びと一緒でズルは許されないんですっ!
“タイム!” って一旦状況を止めて、VAR判定を先取りするようなビデオ確認で可・不可を検証して覆ったりするやり取りの可笑しさ(^ω^#)
ネタバレになるので自粛しますが、犯人役というよりもはや、権力に刃向かう反逆のヒーローとして “ゼッタイに負けられない戦い” に挑む平田!
もはや誰にも止められないんですっ!、ムムっ! o(*`ω´*)oヾ(--;)

平田を捕らえる役だったはずが冒頭で制圧される親の七光りの幹部候補警官(西川きよしの息子、笑)や、アイドル的行員、お局様、ゲスなマスコミ、ストックホルム症候群(誘拐・監禁等の人質や被害者が、加害者に好意的な感情を抱くようになる事)になってく人質等々、脇役のキャラも良いんですが、

警察の上下関係を揶揄する描写は陳腐だし、'80年代風味の何か軽~い馬鹿馬鹿しさは今観るにはマイナス材料ですね、理屈っぽく観る映画じゃあないです。
だけど、最後まで破綻しそうでしない、ユル~いシミュレーションは “どーなるのコレ?” ってワクワクが止まらないし、
『シンゴジラ』はコレからヒントを得たんだろうかって(ゼッタイ違う(-д- 三 -д-))2秒くらい思いマス。

恋愛要素とか要らない袋小路には陥らず、変にグダグダ引っ張らない終り方にも好感を持ちます。危害を及ぼしてないのも「ごっこ」として遊びを貫いた辻褄が合うし、落としどころもあれがベストじゃないでしょうか(^∇^)/
オススメ(o^-')b !
継