だい

陽はまた昇るのだいのレビュー・感想・評価

陽はまた昇る(2002年製作の映画)
3.3
1980年代の家庭用ビデオ規格競争を、VHSを開発した日本ビクター社視点で描いたドラマ。

ぼくが物心ついた頃には、ベータマックスはもう完全に日蔭の存在になっていて、名前は知ってるけど見たことはないくらいの存在感で、
そんなだから逆に、劇中で繰り広げられるぼくにとって未知のエピソードの数々が、とても新鮮に楽しめた。

他の人のレビューに、これは勝者の歴史であって、実態は松下による圧力がうんぬんかんぬん、
ってあって、まあベータ側から見たらいろいろ言いたいこともあるのかもしれないけど、
ただ少なくともビクターの開発部から見た視点でぼくらは感情移入して歯軋りしたり快哉を叫んだりしてるわけなので、これはこれでいいんじゃないですかね。
そして少なくとも、子供時代のぼくには、お小遣いで買うビデオテープは長時間録画こそが正義だったので。

それにしてもね、登場全社が実名ってのがこの作品の一番のポイントだと思いますわ。よく知ってる会社ばかりが出てくるから入り込みしやすい。
当時の力関係がわからないので言外のニュアンスとかは察することができないのだけれど、それでも感じる松下の強さよ。

家庭をどの程度顧みるかで親子間の葛藤があったり、劣勢からの大逆転カタルシスがあったり、実話を下敷きにしっかりエンタテインメントしてる構成はいいな。
いや、ベータはこうで~、みたいなこだわりのあるAVヲタクとかじゃなければ万人が楽しめる佳作だと思いますよ。、
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