みー

召使のみーのネタバレレビュー・内容・結末

召使(1963年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

非常にスルメな映画

鏡や影や構図の使い方が素晴らしいのは言うまでもない。
セックスシーンもあえて見せず、この召使と主人の関係も伏線が張り巡らされているだけで、あとは自分で解釈していくしかないこの感じ。
非常にスルメな映画ですね...。

序盤の主人の若さあれど大きめなコートに身を包んでおりいかにも主人感満載な主人公と、若干華奢で腰のくびれを強調した出で立ちの召使の表現がとても良かった。

召使と主人の関係も、物語中盤の飲食店で数名の召使と主人のグループが映し出され、その関係性は主人公と婚約者そのもののカップルのよう。確かに当時のあの状況を見たら、常に一緒で家事全般行ってもらうのだから夫婦のようにしか見えないな...。

召使と和解した以降は、無賃で働いているって言っていたけど、借りに主人公のお金が枯渇していたとしたら残るはあの家しか無いわけで召使からしたらなんのメリットも無いわけだけど、それでも喧嘩しながら一緒に遊んでまで仲が良かったり、途中の軍隊での友情の話はもう同性愛を仄めかしすぎていて、後から思い返すと面白い。そう考えると、主人公の女遊びしてますイメージを定着させといて、実はひっそりとそういったイメージを伝えており、ものすごく考えられた作品なのだな...。
そうなると序盤の契約を結ぶシーンの、「料理以外にも...」のセリフも深読みできてしまうなあ...。

素晴らしいの一言に尽きるのだが、おすすめする映画かと言われたらかなり人を選ぶ映画だと思うのでなかなか勧め辛い部分もある。美しい構図を好む人や物語を読み解くのに長けている人にはオススメしたいなあ。

淡々と進んでいくし、唐突な物語の進み方をしたりするので理解しがたく楽しい映画とは言えないが、ここはこんな意味が込められていたのかもしれないと自分で模索しだすとキリがない。

何らかの薬物を混入させたであろうものを飲ませて、完全に犬とかした主人を召使の精神ドSっぷりも好き。それに墜ちる主人もどこか美しく、逃げようと思えばすぐ逃げれるにも関わらず側にいるのもなんとも...。よく考えると、主人は召使に世話を「してもらって」おり犬(または動物)となんら変わらないのかもしれない...。そんなブラックな要素も多々入っていて面白い。

もっとこの先、年を取ってから観返したらまた違う観点から物語を読み解くことができそうで楽しみです。