CHEBUNBUN

召使のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

召使(1963年製作の映画)
4.2
【この召使怖い】
『101 CULT MOVIES YOU MUST SEE BEFORE YOU DIE』に掲載されているイギリス映画。タイトルこそあまり魅力的ではないが、これが傑作だった。

本作は空間の作り方において良い見本を魅せている。冒頭、廃墟同然の家に召使が面接にやってくる。家の主は傲慢な態度で召使を雇う。「今度、新事業があってー」と語る家の主、ブルジョワだがデカダンスに満ちており、心が空虚なのが冒頭5分で分かる。

そして、この召使演じるダーク・ボガードが、『ベニスに死す』さながらの顔芸で観客の背筋を凍らせる。

前半、哀愁溢れる立ち姿に「しょぼそうな召使だ」と思う。しかし、家の主が横暴に「おい、ビール持ってこい!」と言われた際に、振り向くダーク・ボガード、、、何かおかしい!と感じる。そう彼からジョジョ張りの強いオーラが滲み出ているのだ。

そして、段々明らかになる召使の素顔。巧みな鏡と影を使った歪んだ世界、そして、後半30分のどんでん返しに参りました。イギリスの階級社会を皮肉った作品ではあるが、日本人でもめちゃくちゃ楽しめるパワハラ映画といえよう。
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