Ricola

召使のRicolaのレビュー・感想・評価

召使(1963年製作の映画)
4.0
貴族出身の裕福な青年トニー(ジェイムズ・フォックス)の元に雇われた召使のバレット(ダーク・ボガード)。トニーはバレットの働きぶりに感心し、信頼を置くようになるが…。

極上の心理劇だった…。

目の動きがぶつかったりすれ違ったりする緊張感がなんとも言えない。

印象に残ったシーンの一つが静かな空間で会話以外に聞こえるのが蛇口から垂れる水音だけというところ。日常的で生々しくてとても不気味に感じる。

影でわかる存在の演出が恐ろしい。表情は見えなくてもその表情がどういったものが安易に想像できる。あえて見せないで想像させることで余計に心がかき乱された。

人間の理性という皮が剥がれてしまうことの末恐ろしさ。
しかしそれを悲観しているというよりかは、諦観しているように思えた。
Ricola

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