このレビューはネタバレを含みます
「だって美味しいものを食べると元気になるでしょ」
ペンギンさんもアザラシさんもいない。仮病使おうにも風邪を引かせてくれる菌もいない。南極の果ての果てにて、メンズ8人の1年半にわたる暮らしをお届けしてくれるゆるふわ日常グルメ系映画。説教臭さがまったくないので何回も観れそう。観れば観るほど味が出そう。面白かったあ。お腹空いたあああ。
特殊な環境で長く不自由さと共に過ごす。思ったより整ってはいたけれど、あのシャワールームとトイレはとてもつらい。
くる日もくる日も同じ顔。愛する人は遥か長距離高額電話の彼方。日光すら浴びれなかったりして。精神的にちょっとまいってきて、ちょっとおかしくなったりなー。するねんなー。なんのかわからんけど、なんか、なんかの、ハイみたいな?あるのよ、ささいなきっかけからハイになっちゃうってことが。笑
ゆるーい映画だからこそ、情緒が迷子気味になってる大人たちを眺めて愉しめる。お互い言葉も足らないし、不器用でマイペースな人だらけに見えたけれども、食事は必ず全員で取るというルールだけは守られていた。
食べ物はただ食欲を満たすだけのものにあらず。食べ物は、しあわせの一つの構成品。
「わっ、これあの人にも食べてみてもらいたい!」って反射的に思っちゃう気持ち。美味しいね美味しいね♪って言い合えること。食べたいものを食べたいときに食べたいだけ食べられるミラクルな環境が与えられていること。
食にまつわる嬉しい何もかもが、まったく当たり前ではないということ。
牛肉の塊に油塗りたくって焼きはじめたらハイになったのか燃え盛る牛肉かかげて雪原走り回ってるのちょーたのしかった。
オペレーターのお姉さんに結婚迫るの頭おかしくて最高だった。
そして、ラーメン。
嗚呼、拉麺。
美味しい食べ物は、人を笑顔にする。心からの笑顔を引き出すのってそう簡単に出来ることじゃないから「美味しい」は正義!
そりゃオーロラどころの騒ぎじゃないっつーの!