あんがすざろっく

南極料理人のあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

南極料理人(2009年製作の映画)
3.8
何ヶ月か前に、テレビのドキュメンタリー番組で、昭和基地の料理人さんの密着取材をしてて、奥さんと見てたんです。

それが本作を見ようと思ったきっかけですかね。堺雅人さんは好きですし、きたろうさんや豊原功補さん、高良健吾さんと、なかなかのキャスティング。生瀬勝久さんは、いつものようなアクの強さを抑え、非常に地味な(しかし生真面目な)観測員を好演しています。今まで色んな映画やドラマ、CMでお見かけしてましたが、初めて名前を知りました、古舘寛治さん。インパクト強い方ですねぇ。

物語は南極の昭和基地に観測隊として派遣された人々の日常が描かれます。

正確には、昭和基地からも遠く離れたドーム基地で、1年以上も続く観測が目的で、自ら志願して出向したメンバーもいれば、上からの命令で派遣されたメンバーもいる。
海上保安官の西村は、観測隊の出発間際にいきなりの出向を命じられ、料理担当として南極に単身赴任することに。

南極とは言え、ドーム基地の周りには生物さえ見当たらず、ペンギンすらお目にかかれない。
ただただ、一面の雪。
こんな中で一年以上暮らすなんてのは、相当な忍耐力か、よほど強い思いがないと無理ですね。

西村も、最初は決まりきった食事を提供する訳です。焼魚とご飯、味噌汁とか。
彼も臨んで出向したのではないですからね。
しかし、観測隊のメンバーと過ごすうちに、みんなが食べたい料理を考えたり、誕生日用のスペシャルディナーを用意したりします。
エビフライのインパクトの強さよ(笑)。

印象的だったのは、砂時計のシーンですね。
ドーム基地からの電話代は、1分740円‼︎
今みたいにインターネットもないから、そりゃ通信するのは大変です。
で、その1分を測る為に、電話機の横に砂時計が
置かれてるわけですけど、大きな変化のない日常と対比するように、大事な時間程砂が落ちるように溢れていく。
ここだけ時間の流れがはっきりと描かれてるんです。巧い演出でしたね。

え〜、全体的に見て、このゆるい感覚がお好きな方には、とても面白い作品だと思います。
キャストも良かったですしね。

ただ、個人的に、どうも居心地が悪かったんです。
笑いの間とか、その笑いの回収の仕方が、僕はあまり好きでなかったんです。
なんか、無理に笑いを挟んでるような。
物語をスムーズに追えなかったんですよね…。
えっ、今の何?オチないの?放ったらかし?
ってのが多かった気がします。
細かすぎるんですかね。
とにかく、僕はあんまり素直に笑えなかったなぁ。
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