ぜにげば

劇場版ポケットモンスター/ダイヤモンド・パール ディアルガVSパルキアVSダークライのぜにげばのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ポケモン映画祭最後の作品ですね。
最後に言うけど、SVのcm流すのやらしすぎない?
せめて今作に限ってはアルセウスの予告も流して欲しかったな。
一応現行最新作なわけだし。
まあいいか。
下にある前回のレビューを先に見ていただけると良いかと思います。

家で見た時は普通かなくらいに思いましたが、オリジンフォルムを見て改めて面白かったと思えました。
劇場で見てよかったー。
(まあ時空の狭間で戦ってるディアルガさんとパルキアさんアナザーフォルムでしたけど、後付けだしね…野暮だね…。)

まず導入、めっっちゃくちゃワクワクしますね。
ポケモン映画は全部オープニングでワクワクしますが、今作が一番かと。
伝説ラッシュ、今までの大量の旅のシーンをバックに、サトシ、ヒカリ、タケシが歩くシーン。
一段落ついて、together2007が流れる。
当時はただのアレンジだったかもしれませんが、今やダイパの最終回の曲ですからね。
オーバの背中に、自身の後ろ姿を重ねるサトシ。
シロナを倒せるトレーナーはいるのか?
「ここにいるぜ!!」
劇場の音響でこの曲を聞いたら泣くでしょう。
最高のオープニングでした。

次に世界観についてですが、劇場で見るアラモスタウンめちゃくちゃ神秘的でした。
時空の塔の見た目も、世界最大の楽器という設定も、オラシオン等の設定も、全部が荘厳でした。
回想シーンのレントラーが色違いに見えるくらいのセピアカラーも、ダークライの影から出てくる感じとかもそうですが、雰囲気がめちゃくちゃいいんですよね。

物語の流れもすごく綺麗で、
ダークライを疑う→晴れる→怒りを沈めるために頑張る
と、誰が見ても分かりやすくてよく出来てます。
アリスがオラシオンの音盤を見つけるシーンとかは良い意味でコナンぽくてワクワクしました。

何より、最後のオラシオンの音盤を運ぶ進行方向が物語の進行方向と分かりやすくリンクしてて単純明快で面白いんですよね。
階段が崩れていくなか、ポケモンたちと協力して何とか進んでいく。
ヒカリが落ちそうになってヒヤヒヤさせといて、サトシの場合は着地の衝撃で痺れるといった笑えるシーンにする。
一本道の中にも緩急があって、すごく面白かったです。
ムクバードにかろうじて助けて貰ったり、全員で助け合いながら色んな方法で観客を楽しませて進んでいく感じが最高でした。
音盤が重たくて大きさ的にも当時のポケモン達では運べないので、トレーナーにも重要な役割があって素晴らしいですね。
まあドダイトスとかだと階段入れないけど。

そしてやはり、本質は怪獣映画ですね。
怪獣映画だと思えば、「ディアルガ荒らしただけじゃん」みたいなツッコミも野暮だなと思えます。
人間とポケモン達のバックではずっとディアルガとパルキアがお構い無しに喧嘩をしてるのが面白いんですよね。
ただ怪獣映画と違うところは、右往左往するだけでは無いこと。
ちゃんと協力して解決に導くのがポケモンだなぁと思います。
トニオの分析して原因を突き止めたりするのも怪獣映画の博士あるあるで面白いですね。

全体から特に好きな点をあげると、トニオが終盤で「何とかするから!」って普通に言うんですが、その瞬間に思わずかっこいい…って思ってしまいました。
情けなさそうな男を好きな美人っていうただの設定が、そうじゃない納得感のあるものに変わった瞬間でした。
トニオはいい男だぁ…。

他だと階段を登る時のピカチュウの「任せとけ!」と言わんばかりの心臓を捧げよポーズが好きです。
ちっちゃくて進化前なのに、チームで一番頼りになるところがたまらなく好き。
陵南の仙道みたいな、ピカチュウなら何とかしてくれる!ってのがありますね。まあエースと言うよりはキャプテンですが。

アリスを最後トニオが助けましたが、残酷でしたねぇ。
運命レベルで選ばれた人と選ばれなかった人を明確にする描き方。
昔のポケモンとかの悪役をとことん不憫に扱うところが面白いです。
まあアルベルトは悪役でもないからこそ不憫なんですが…笑

それと、エイパムとブイゼルがまだ交換されてなかったり、ヒコザルがいなかったり、あとから見返すと「この時期かぁ…」ってなるのも素敵な楽しみ方の1つですね。

1番はアラモスタウンごと違う空間にいる中、時空の塔が開花して翼になるシーンですかね。
家で見た時には感じなかった圧倒的な美しさがありました。
最高でした。

シンオウ三部作全部劇場で見たいなぁ。

~過去のレビュー~
2021年4月7日 3.7
自分が初めて劇場で見たポケモンの映画。
とうとう当時の自分に追いついたぞ…!!

内容に関しては思ったより面白くなかった。
ただ、レックウザにはなかった伝説のポケモンの神秘が他作品と比べても圧倒的で、そこだけでも楽しめる。

そして、ダイパ世代はみんな共感してくれると思うけど、僕らぐらいの世代って、これと言った怪獣映画は通ってないと思う。
少なくとも習慣にはなってない。
シン・ゴジラが初めての怪獣って人も多いと思う。
僕はゴジラシリーズとガメラシリーズを見て、「あ、この感覚を求めてみんな怪獣映画を見てたのか!この感覚に近いものをポケモンで感じたな」と思った。
その映画がまさに今作から続くシンオウ三部作。
ゴジラほど巨大じゃないけど、大きな、人間じゃどうしようもない存在と存在がぶつかり合い、人間はどうにかしようと右往左往する。
怪獣は大体災害として勝手に現れて勝手に消えるけど、ポケモンはより神秘寄りな感じ。
司ってるからね。

ストーリーはあるあるだけど、神秘とダークライの奮闘が面白い良作。
あとの2作次第で評価も変わってくるかな。

グレッグルちょっとかっこよかった

今作から怪獣とかから鳴き声を持ってくる文化になったらしい
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