臭いものには蓋をしろ 大島渚「飼育」
この時期の大島作品は松竹メロドラマからの脱却を図ろうと試み、かなり前衛的作品を量産していた頃だろうから深夜に観るのは辛いかなあ・・・
まあ、眠くなれば素直に眠ろう。
なんて思いながら観てたら最後まで観てしまいました。10年くらい前の話です。
ある人によれば「村人のだらだらした日常と収拾のつかない議論をシャレたオチもなく舞台中継のように撮した文化人宴会映画」なんだそうです
まあ、そんな表現も当てはまらなくもないんですが観ている自分が面白かったのですからそんな批評は無視ムシです
当時の大島のラディカルな思想が混沌とした政治的状況の比喩としてこの村人たちの出口の見えない混迷に現われてます
こんな状況、今の日本政治にも、世界情勢にも、身近な自分の回りにも感じます
臭いものには蓋をしろ、という言葉を久しぶりに思い出した、不気味な余韻の怪作です
石堂淑朗先生の怪演も凄かったなあ・・・