トカゲロウ

パーマネント野ばらのトカゲロウのレビュー・感想・評価

パーマネント野ばら(2010年製作の映画)
3.9
吉田大八監督作品は、合う合わない関係無く秀逸な作り。
ただ今作だけは、パッケージから漂う少女漫画感から観るのを後回しに。

序盤から、その思い込みは崩されます。
女、下ネタ、バイオレンス、田舎ぁ!
「腑抜けども~」の様な作風。
お堅い家庭でヌクヌク育った私には、女性が下ネタを笑いながら話すのは観ていて辛いのです。
毒っ気ある笑うシーンも少し湿度のある感じで苦笑いに。
最初の少女漫画なんて観たくねーよという気持ちは何処へやら。
パケ詐欺じゃないか!( ;∀;)
と、初めて大人のビデオを借りた時の気持ちを思い出します。

しかし終盤に、その気持ちも崩されます。
パケ詐欺とか思ってごめんなさい。
いい話じゃないか!( ;∀;)
3人の女性の友情がスルッと一気に、そして自然に心に入ってきました。
振り返ってみると、脇役たちの優しさが理解できます。現実でも今は気がつかないだけで、多くの人から優しさをもらっているのかもしれませんね。

個性的な脇役俳優さんたちの演技も良く、巧妙で枠組みがしっかりとした作品。
こんな展開を日本の田舎風景に落とし込んだ監督の手腕が光ります。
それにしても、吉田監督は女性が転ぶシーンを良く撮る。
そういうフェチなのでしょうか?
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