アラサーちゃん

パーマネント野ばらのアラサーちゃんのレビュー・感想・評価

パーマネント野ばら(2010年製作の映画)
3.0
🎦
「パーマネント野ばら」
離婚し、子どもを連れて田舎町に帰ってきた直子。母親の営むパーマ屋では近所のおばさまが連日下ネタを繰り広げ、幼なじみのみっちゃんやともちゃんも同じように男運のない話ばかり。安心できるがどこか好きになれない故郷で、直子の心の支えは恋人の鹿島という科学教師だけだった。2010年、日。

ひさびさに私が思う、がっつり邦画感漂う邦画を観る。
最初は、邦画あるあるな、田舎の景色と憎めない田舎連中のだらっだらした映画かなと思ったんだけどラスト15分は必見。

邦画あまり観ないから適当なこと言えないけど、さすが吉田大八。なめてかかると完全にいっぱい食わされる。
この人「桐島、部活やめるってよ」の人。ホラーじゃないのに肝心なとこの、映像で見せるたたみかけるようなホラー感が半端じゃない。すごい。好きすぎる。ばばばばばってきてからの海のシーンで完全にやられた。

波打ち際で菅野美穂が小池栄子に放った言葉。あの返しの言葉も素晴らしかったけど、あの後の映像。さっきまでギリギリセーフだったのに、いつのまにか波は菅野美穂の足元まで届いてた。
あとはラストの菅野美穂は強烈でぐっと来た。そこまでは、キャラ強めの夏木マリや小池栄子の存在感、池脇千鶴のうまさ(二人で並んで演技すると菅野美穂ですらひょろひょろに見える)に負けて主役のくせに影のない人でしたが。可愛かったけども!エンドロール前のほんとラストシーンで持ってかれました。

とにかく男運のない女性たちの映画。男にバカにされ、男に見捨てられ、男に幻滅し、男に泣きを見る。たくましくはないけどどん底這いつくばってでも生き抜いていく女たちのすごさを静かに見せつけてくれる映画だったと思う。
そのせいか江口洋介や宇崎竜童のキャラも薄め。本田博太郎は結構濃かったけど。

映画の出だしが田舎の海辺の超パーマ屋さん感あふれるパーマ屋さんで、パンチパーマ当てながらオバハンたちの下ネタ。素晴らしくないか。
「直ちゃん、最後にやったのいつ?」
「誰かちんこの出前してやり」
ちんこってオバハンたち何回連呼した?もう延々と言ってらっしゃった。小池栄子の登場シーンや山のごみ屋敷で暮らすばあさんもなかなかよかった。
とにかく女たちのいちいちの会話に、また、私の大好きな高知弁が乗っかってるのがほんとに嬉しい。大好き高知弁。