ぱっと見美容室を手伝う田舎で起きるのんびりした話なんだけど、ひとりひとりの女性が担う孤独との戦いが辛くてしんどくて。気がついたら一瞬も目が離せない、吸い寄せられるようにことが起きる展開を観ている自分がいた。平凡な街に起きる、何かも特になくただ日常を過ごしているだけなんだけど後半いきなりスイッチが入ったかのようにボロボロと崩れ落ちる。その崩れ落ち方が、意外性に満ちていて。女の再生の物語かと思ってみていた身からすると、「へっ？」と目が点になる。なーんも報われない！んだけど、後半の菅野美穂の演技に同一の感情が芽生えて涙が流れていた。なぜこんなにも女性の孤独を理解し、紛れさせることが出来るのだろうか。
例え寂しい映画でも、その寂しさが現実に絶えず存在するのがリアル。リアルさが胸に沁みる。
