きなこ

BALLAD 名もなき恋のうたのきなこのレビュー・感想・評価

BALLAD 名もなき恋のうた(2009年製作の映画)
3.8
クレヨンしんちゃんからの。
実写に馴染むようにちょこちょこディテールが変わってて、これはこれで好きです。

アニメならではの緩急とか、しんちゃんたちの強いキャラクター性はもちろん削られてしまうぶん、切なさと戦の迫力が増しでした。
少年側の成長物語っていう側面も残しつつ、又兵衛、廉姫がどどんと前面へ。
アニメより強くて、廉姫に本気だったっぽい大沢たかおが、映画版としてのストーリーを厚くしてた気もする。
ケータイとかカメラ、自転車とか車とか、道具が活かされてるのは面白い。
青空侍っていうワードがとても好きだったので、なかったのは寂しかったかな。金打もないのね。

キャストは雰囲気ぴったりな気がします。
草彅くんは素朴っぽさが似合うし、初々しいガッキーが凛としててかわいいし。
筒井道隆や夏川結衣、脇に回ったしんちゃんファミリーは、出過ぎず消えず程よくて、「普通の」味が際立ってた。
若い廉姫を、年長者として後押しする夏川さんのポジションにじんときた。

車、初めてみたらめっちゃ怖いだろうな。
あんな無防備でも、車に乗ってたら無敵 笑
車の廉姫と馬で続く又兵衛のシーンがなんか好き。

廉姫の好きな場所はアニメだと緑豊かな御伽話みたいな所でしたが、現実にするのこんな感じね、と妙に納得。

最後の新垣結衣の説明でもって、又兵衛の最後が別にあの場の敵襲じゃなくて、元に戻っただけだったことに初めて気づいて深みが増した。遅。


2020-24
きなこ

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