シュトルム凸映画鑑賞記録用改め

夫たち、妻たちのシュトルム凸映画鑑賞記録用改めのレビュー・感想・評価

夫たち、妻たち(1992年製作の映画)
3.7
ウディ・アレン、ちょうど30本目かな?まだまだ沢山残ってるのが楽しみである多作の御大作品(残りあと僅かになると寂しくなりそうだ)。
さて、今回のはウディ・アレン自身が主演の夫婦(別れ)もの。実際のパートナー、ミア・ファローとの破局寸前ってのが生々しい。ミアを差し置いて二十代の小娘に入れ込んで、ってもしかしたら、リアルの生活そのまんまなんじゃない?(笑)
この作品に数年先立つ、メグ・ライアンとビリー・クリスタル主演の「恋人たちの予感」のようなインタビュー形式が取り込まれているのが面白い。「恋人たちの予感」ほど効果的ではなかったけどね。しかしそれもまた実験ですね。
友人夫婦の別居騒動が、やがてウディ・アレンとミア・ファローの離婚話に波及していく。ミア・ファローのイライラ感やこれではない、こんな筈ではないと…真実の愛を求める心情がよく分かります。若かりし頃のリーアム・ニーソンが出て来て、ミア・ファローらの相手役を演じる。そういう世代関係なんだね、あまり私の中で関係が繋がらなかった俳優が共演するのは新鮮。
作中でも言及があるんですけど、ベルイマンの「野いちご」。「いちごはもうないわよ」と宣告されるが如く、孤独な結末を迎えるウディ・アレンと、対照的に幸せそうなリーアム・ニーソンとミア・ファローの新カップル。野いちごの老教授がラストの孤独の中で、息子夫婦の関係の中に希望を垣間見るさまを彷彿とさせます。