方眼

ミッドウェイの方眼のレビュー・感想・評価

ミッドウェイ(1976年製作の映画)
3.5
1976年"Midway"。プロデューサー、ウォルター・ミリッシュの映画であり、脚本も監督も大した仕事してない。編集は頑張っている。記録映像はうたい文句だが、過去の戦争映画の特撮場面は無断引用らしい。道理で、天気や方向や敵機味方がごちゃ混ぜ。変わった映画で、群像劇なので豪華俳優陣がそろっているが戦争場面と同じく寄せ集め。なぜミッドウェイで米軍が勝ったのか、偶然と小さな判断の積み重なりと冒頭で語るが、作っているほうも理由を絞り込めていないのでドラマの軸もなく、単なる映像の集合体。挙句の果てに実録映像にあわせた主人公ガースの最期と来た日にゃ、チャーチルの名言で収めようにも無理がある。

「失敗の本質」によると、山本五十六大将の短期決戦作戦”ミッドウェイ島の占領と見せかけて、防御に集結する米海軍の空母隊を殲滅するのが本当の目的”というのが日本海軍内で統一して理解されず、ミッドウェイ島の占領と空母決戦が同時にバラバラに実行されたのが日本軍の敗因。一方、米軍は真珠湾後の損失から完全に癒えきっておらず、大西洋戦線との2方面作戦で空母・巡洋艦とも足りていない状態で戦力的には劣っていたが、こと空母艦隊決戦ではスプルーアンスの即時の判断もあって、重要局面に戦力を集中させることが出来た。

暗号が読解されていた件、空母赤城の搭載機発艦待ちと爆弾と魚雷の装備交換の件、米軍雷撃機の自動爆雷装置故障の件、南雲司令官や山本大将が戦闘区域にいてニミッツはハワイから指揮している件など、史実に基づいたネタは入っている。三船の吹き替えは声を似せている。
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