Azuという名のブシェミ夫人

3人のゴーストのAzuという名のブシェミ夫人のレビュー・感想・評価

3人のゴースト(1988年製作の映画)
4.2
TLがみなさんの色んな思い入れのあるクリスマス映画で溢れていて微笑ましかった。
それで、私のクリスマス映画と言えばこれなんですよね。
なんかどうなんだろう、可愛げゼロ(。・ω・。)
子供の頃、この子おかしいんじゃないかって親が思ってたくらい何回も観ていて、人間で言うと幼馴染みたいなやつなんです。
だから点数ちょっと贔屓目。

お金にうるさく無慈悲な商人スクルージに訪れたクリスマスイブの奇跡を描いたチャールズ・ディケンズ著『クリスマス・キャロル』を現代風にアレンジ。
主人公であるテレビ局社長フランクは傲慢で無慈悲な男。
クリスマスなのに社員を突然クビにしたり、秘書に出すボーナスは社名の入ったタオルだったり。
たった一人の家族である弟からのパーティーの誘いも毎年断る。
そんな彼の前に数年前に亡くなった前社長が現れ、人生の警告を与えるとともに、これからフランクの元へ3人のゴーストが訪れることを告げる。

ゴーストなんて言っちゃってますけれど、べつにホラーでもなくて、まぁ多少要素があるにしても同じくビル・マーレイの『ゴーストバスターズ』レベルのゆるさ。
過去のゴーストはロックバンドNew York Dollsのボーカル、デヴィッド・ヨハンセン。
なんかヤンチャな感じでね、子供の頃はちょっと不気味に思ってたけど、大人になってからは愛嬌があって愉快。
現代のゴーストはメルヘンな妖精ルックでキャッキャッ言う割にドSなところが笑える。
つまるところオバケ的な怖さではなくて、“愛の無い人生の恐ろしさ”を体験するわけで(ある意味こっちの方が恐い?)基本はビル・マーレイ節満載のコメディで且つ結構イイ映画。
3人のゴーストは、それぞれがフランクの過去・現在・未来を見せに彼を連れていく。
そこで彼は生まれて初めて客観的に自分という人間を省みることが出来たんでしょうね。
ビル・マーレイが悪態つきながらも人生を見つめ返すその表情には、人間味がとても溢れていて、私は彼の演技がとても好きです。
元になった『クリスマス・キャロル』でスクルージを訪れるのは“マーレイ”。
ビル・マーレイを使ってること自体シャレなのかね?
しかもマーレイ兄弟大集合で、実のお兄さんや弟さんが家族を演じています。
ヒロインであるカレン・アレンは笑顔がとってもキュートだし、『グレムリン2』でちょっとアホっぽい社長を演じていたジョン・グローヴァーなど脇役陣も個性豊かで楽しい!

今の私がどうやって成り立ってきたのかを、そしてどうなっていくのかを、クリスマスの度にこの映画を観て思い返す。
今年もありがとう幼馴染。
クリスマスに会えても、会えなくても、大切な人にはちゃんと大切だって言葉や態度で伝えよう!
いつも“いいね”やコメントをくださる皆さん、私と同じく映画が大好きな皆さん、どうもありがとう♡♡
メリークリスマス!!