真っ黒こげ太郎

食人族の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

食人族(1981年製作の映画)
4.2
観る前:ヤバい部族の話でジャングルに行けなくなるんだろうなぁ…。

見た後:そりゃぁ喰われるよ!!!何やってんだ!!!




ドキュメンタリー制作の為に密林地帯に向かった4人の探検隊が消息を絶った。

調査の為、仲間と共に現地に向かったモンロー教授は現地の部族の人々と友好関係を築き、4人の死体の近くにあったフィルムをテープレコーダーと交換する。
その後帰国し、フィルムを一通り見ることになるが、そこに映し出されていたのは探検隊の惨たらしい暴挙と抑えられない部族の怒りだった…。




フィルムを閲覧するスタッフや教授を通して、POV形式で探検隊の凶行や部族の怒りを描いたフェイク・ドキュメンタリー映画。

食人族の映画は初めてだったので、てっきり若者たちがヤバい民族に捕まる映画かと思いましたが…。
実際にはかなりの社会派映画でした。


前半、教授が部族の元を訪れるのですが、教授達が部族の人達と意思疎通してちゃんと信頼を得たのは意外。
あれ、ヤバい連中じゃないの…?と思っていたけど…


しかし、後半では探検隊が何をしでかしたかが描かれた。
しかも、ドキュメンタリーとしてに流すためにおぞましい事を…。

…そりゃ部族の人も怒るよ!!!!!
教授も「やりすぎだ!」とお怒り状態!そりゃそうだ。

しかし、部族にもちゃんと彼らなりの「法」があった。
…因果応報。


正直肝心の食人シーンはカメラ視点故よく見えないのであんまりグロくはない。
本編はどっちかと言うと動物の殺害や解体シーンの方がグロイと思う。
(オマケに、本物の動物を使用、特に亀のシーンはエグイ。そりゃ愛護団体から怒られるよ!!)

しかし、「文明人と部族、どっちが残虐か」と言うテーマ性をガッツリ描き、最後の食人シーンにもカタルシスを得られた。


前半が少々ダレたり、ひたすら人食いが描かれる映画を期待したら肩透かしを喰らうと思うが、社会ドラマを軸にしながらもしっかり食人族要素を描き切った良作。