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食人族のTSのレビュー・感想・評価

食人族(1981年製作の映画)
3.3
※パッケージ閲覧注意
【どちらが野蛮人か】73点
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監督:ルッジェロ・デオダート
製作国:イタリア
ジャンル:ホラー
収録時間:95分
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久々にヤバい映画を見たような気もします。ただ、かなり警戒して見たためまだマシだったか。。それでも解体されて内臓は出てくるわ、大事なところがモザイクされるわ、それなりの耐性がないときつい映画と思うので見ようと思う方は気をつけてください。パッケージにも書かれていますが、元祖『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』がこれであり、そうなると元祖pov作品ということになります。全編povではありませんから映像酔いは少ないと思いますが、少なくともそういう映画ということは認識しておいてください。

ドキュメンタリーを撮影するために、アマゾン川の「緑の地獄」という地域に向かった4人の若者が消息を断つ。後にニューヨーク大学の教授たちは、真相を確かめるために緑の地獄へ向かうのだが。。

最近イーライ・ロス監督が手がけた『グリーンインフェルノ』と同じ名前ですが、実は今作が由来。ただし、ストーリーは全く違うものであり、今作はなんとかヤマモモ族と友好を築いた教授たちが4人の若者が撮影したテープを入手するという設定になっています。従って前半は教授たちが主人公ですが、後半はテープの中身を映すので4人の若者が主人公となります。

さて、今作のヤマモモ族の写し方は、ヤコペッティの『世界残酷物語』を彷彿させられます。未開の地に文明人が訪れた時どうなるのか。あまり表現したくないですが便宜上ここでは未開人と文明人と表現しておきます。映像が淡々と流れていきますが、はっきりいってヤマモモ族より、潜入してきたこの4人の若者の方が異常。テープの前で性行為をしだすし、強姦しては家畜を銃殺し、村を燃やす。こんなことをして怒らない人々はいないでしょう。テープを見ていた関係者は今にも
「そりゃあ、殺されるわ」
と言いたげでした。最後に放たれますが、果たしてどちらが野蛮なのか?確かにヤマモモ族に食人の文化はありそうですし、秘儀で女を串刺しにしてるものもあるので、到底理解できない文化があるのですが、それはあくまで我々からの視点であり、むやみに人を銃殺していく方が野蛮ではないのだろうか。

非常にグロテスクでしたが、未開人と文明人の対比が素晴らしく、テーマ性も備えている作品だと感じました。
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