ちろる

12人の優しい日本人のちろるのレビュー・感想・評価

12人の優しい日本人(1991年製作の映画)
3.7
もしも日本にもアメリカみたいに陪審員制度があったら?
一般人からアットランダムに選出された12人の陪審員たちがとある殺人事件について決議を下すまでの密室コメディ。
年齢も立場も生き方もなにもかもが全く違う、共通点のない人間が集まって一つの結論を出すのは難儀である。
コメディ風にデフォルメされているとはいえ、少なからずこんな風にカオスは現実になり得るということも分かるから、いつのまにか自分はこの中でどの人物みたいになっちゃんだろうかと考えながら観ていた。
優柔不断で流されやすく、討論嫌いの事なかれ主義、意見が上手く伝えられない「日本人らしさ」を実によく利用して、リアルでもあり得るギリギリの会話劇で低予算の密室劇だけで2時間十分楽しませてくれる。
三谷幸喜脚本の中でも初期のものですが、東京サンシャインボーイズの舞台で大ヒットした作品の映画化とあって脚本の安定感は抜群。
中原監督も、映画だからもっと広げられるのにもかかわらず、決議を出すまで会議室から出られないという密室劇にこだわってくれたおかげで、集中力が途切れずに適度な緊張感を持って2時間観ることが出来たのかなーと感じる演出だった。
裁判員裁判、もし選出されたらどーしよ、、楽しそうだけど、めんどくさいな。
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