くろねこヤマ子

ストーカーのくろねこヤマ子のレビュー・感想・評価

ストーカー(1979年製作の映画)
4.6
2018年。
新年劇場一発目。
ぶくぶくと良い作品に
沈むことのできた幸せ。
ひっさしぶりに観る
ストーカー。

セピアカラーと
グリーンを帯びたブルーグレーの
画面の切り替わりの良さ。
一点透視のアングル。
じっくりと動く視点。
水の音、水の変化、
ガラスの音、光、影、風。
感覚が研ぎすまされる感。

登場人物たちが
発する言葉を噛み締める
思考する力を高めるため、
タルコフスキーが仕掛けた
装置のようにも思えてくる。
美しい映像と
ゾワっとする感覚と。

異空間「ゾーン」の
案内人であるストーカーと、
科学者と作家の2人のインテリ。
3人の男が進みゆく中、
内面を吐露し合い、
そしてゾーンへの想いを語る様。

ストーカーの妻子で締められる
ラストへ向かうそのシーンも良い。

いやもうタルコフスキー。
素晴らしいとしか
言い様がありません。