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ストーカーのromioのレビュー・感想・評価

ストーカー(1979年製作の映画)
3.2
ソラリスも爆睡するが、こちらも眠い眠いタルコフスキーの作品。
落ち着いてないととても見れないので年末に見るにはちょうど良かった。

こいつらが主人公なのか?、そんな華ということばとはまったく無縁のハゲ3人組が、人の願いを叶えてくれるゾーンという場所を目指す、ひたすら俺たちの人生観を問われ続ける哲学アドベンチャー。

タルコフスキーの圧倒的な表現力。
人間の精神世界をここまで具現化してくるのかという、そこは何処なんだ?という世界観はすごいのだが。
部屋の中でじっとしているおっさんや、自然の中に倒れているおっさんをじっと眺めてる時間が長いのがこの映画の難点。
その点、ただただ映像美に息を飲む鏡やノスタルジアの方が俺は好みだが。
これは個人の好みによるところだと思う。

あと、ストーカーでは、三人がひたすらそれぞれの人生観に基づいて、死ぬほど喋っているので、これは堪える。
俺としては誰も喋らない映画こそ最高くらいの気持ちでいるので、単純に疲れた。
三人が三人とも、極端な考えではあるものの、見ている我々もその実、学者でもあり作家でもありストーカーでもある。それぞれの会話を聞いていてそう思うのが面白い。
そして、その三人が、この長い旅を経て(移動方法がめっちゃ特殊、これはギャグなのか何か意味があるのか笑)何にたどり着くのか。
生きる意味を問われる。

そして俺は生きる意味は皆無だなと思うがタルコフスキーの出す答えとは。

映画を見るというよりは本を読む感覚に近いなという感覚がある。
冒頭にも書いたが見る時は、落ち着きを持って見れるタイミングで。
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