ストーカーの作品情報・感想・評価

「ストーカー」に投稿された感想・評価

これは「ゾーン」へとむかう人びとを描いた物語なのか、はたまたこの映画自体が「ゾーン」なのか。観ているうちにわからなくなる。
案内人〈ストーカー〉に導かれて、映画を観ているわたしも、いっしょになって「ゾーン」を旅する。
かれらが疲れて休息すれば、わたしもいっしょになってウトウトする。
わたしの状態が、わたしの感情の変化までもが、まるで映画の一部であるかのように、「ゾーン」とわたしが呼応する。
わたしは映画をただ「鑑賞」していただけなのに、気がつけばそれは「体験」へとかわっている。
映画とわたしの境界が、あいまいになる。

旅の道連れは、小説家と物理学者だ。文学と科学の両面から、真理を探究するものたち。
ふたりはじつに、よくしゃべる。自らの不安を打ち消すかのように、自説をぶちあげ、議論をたたかわせる。
かれらが言葉を尽くすほど、その論理は空虚さを増す。
議論ばかりでは、道は開けない。恐ろしくても、先へ進まなければならない。
そのことに、実はふたりも気づいている。
だから黙々と歩く。苦しくても、怖ろしくても、一歩一歩たしかめるように、慎重に前へと進んでいく。
来たのと同じ道を引き返すことはできない。自らの精神状態によって、「ゾーン」はそのすがたを目まぐるしく変えるからだ。
それは人生そのものでもある。
歩くというシンプルな動作に人生が凝縮され、動くことそれ自体が映画になる。

「ゾーン」が人生であるならば、目指すべき「部屋」とは何だろうか?
人生のゴール、それは死だ。ひとはみな死ぬ。みんな死に向かって生きている。
でも、その死というゴールを目指して生きているわけではない。
人生は、道程にこそ意味がある。

散々遠回りしたあげく、なにもせずに戻ってきたら、その道行きは無駄だったということになってしまうのだろうか。
そうではないと信じたい。
たとえなにも成し遂げられなかったとしても、戻ってきたその場所の風景は、まえとは違ってみえるはずだ。錆びたモノクロにも色がつく。
だから怖ろしくても、まえに進もう。
ときには不安に感じることもあるけれど、わたしには心強い案内人〈ストーカー〉がついている。映画という案内人〈ストーカー〉が。
映画はモノクロの人生に色を与えてくれる。
映画がわたしを、人生の正しい方向へと導いてくれる。
崇高な芸術を鑑賞するのに眠気は付きものだとするならばこの映画は最高にグレートだろう。
にけ

にけの感想・評価

2.3
タルコフスキーの中でワースト。長い、退屈、白い画面ばかり
ごろう

ごろうの感想・評価

3.0
目を奪われる映像美があるかと言われれば疑問であるが故に、私はこの映画を宗教画を前にした信仰者のようには見れないので、映像は読み解かれるべきものとして迫ってきて、そこにつまらなさを感じたのは確か。端的にこの映画に時間を感じられなかった。
観念論も唯物論も、科学者も芸術家も、幸せを得るための茫漠とした格闘をする気合いも根性も信念もないとないということなのかな。
tk

tkの感想・評価

3.5
ゾーン。
sugi

sugiの感想・評価

3.2
ずーっと主人公に感じてた気持ち悪さを、終盤、作家が非難してくれてスッキリ

廃墟はノスタルジアのが激しく好み
科学者と小説家を案内して「ゾーン」にはいっていくストーカー。
その行程は、まるでひとがみずからの無意識の深部へむかって降りていくかのようだ。

「歴史」とは「記憶」であり、それはつかのま流れることをやめた水のようである。

綿毛が飛ぶあのシーンでおこる出来事は、クリストファー・ノーランの『インセプション』を連想させる。
大きな映画でした。
ストーカーと作家と科学者の三人の対話が興味深かった。

血がブシャーっと湧き出たり美少女が叫びまくってたりクリーチャーが出てくる映画もいいんだけど、たまにはこういう映画見ないとバランス取れない。
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