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トウキョウソナタのharunomaのレビュー・感想・評価

トウキョウソナタ(2008年製作の映画)
5.0
黒沢清は、見えるだけでも三度死んでいる。
一度は法廷闘争で荒み、二度目はフィルムの死とともに。
それにしても画面からブラッドが流れるかのごとく、すさまじいショットの連鎖に2時間を切る映画の上映でここまで疲労を感じた映画はなかった。
その後も上映の機会は少なかったはずだが、見直せない。小さな画面で目を細めながら見るくらいがちょうどいいのだろう。
シャーマンの娘であり、幼女の面影を纏いつつも決定的な声と眼差しを、とある主人公に送るすでに宿命すら感じさせる女優(昨今は留保)土屋太鳳の12歳のデビュー作でもあり、キャメラマン芦澤明子の最後の35mm(他にあるんだろうが、これが最後だろう)。
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