トウキョウソナタの作品情報・感想・評価

「トウキョウソナタ」に投稿された感想・評価

ryac

ryacの感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

すさまじい……さすが黒澤清。
身の毛がよだつほどの嫌な奴を見事に演じ切った香川照之、心身ともに削られている様を全身で表現した小泉今日子をはじめ、役者陣の熱演がものすごい。

ホームドラマでありながらホラー映画の文脈を感じられるような構成だと思った。タイトルにトウキョウとあるにも関わらず舞台は都会的でなくどこか静かで閉鎖的な印象を与え、母親、父親、息子の三人の視点からそれぞれ同じカットが挿入されたり、米軍に入ったっきり戻ってこなくなる長男の描写だったり、後半に登場する役所広司の『強盗』と母親のコントに近いような珍妙なやりとりだったり、生々しい題材ながらもどこか幻想的な雰囲気が漂う。

この物語は「再起動」の話なんだと思う。閉鎖的な空間でめちゃくちゃになって壊れてしまった家族が、いったん離ればなれになって再び元に戻ることで不具合が解消される話。エンディングの「月の光」が身に染みる。

個人的な解釈として、『強盗』は実在せず、追い詰められた母親の見ていた幻覚だと思うんですがどうでしょう。違う色のオープンカーが出てくるシーンもあったし。
K

Kの感想・評価

3.8

観れる。

扱ってる題材は、観にくい、難しい題材なのに観れる。

重くなりすぎず、一人一人が素直に
本音であろうとしたから
心地よかよかったのかな

格好つけていなかった

そこに観る方も心を開けた

そして見守ることができた

このレビューはネタバレを含みます

大好きof大好き。
ネガティブスパイラルの映画を好きになるきっかけだった。
一番の性癖は誘拐犯と、人生に疲れた人妻の堕落セックスなんですけど。

イニャリトゥもこういうの描くの得意だよねー。ほんとすき
重い『リトルミスサンシャイン』。重すぎか。

でもなんか、家族という共同体の中で、すべてが転がり落ちていくのは時たまあり得ると思うんだよね
完璧、や普通、のハードル下げて、ダメなときも受け入れてあげたら好転するんじゃないかなあと思わされました
不在とカーテンの演出。ひたすらに素晴らしい。
beallright

beallrightの感想・評価

3.5
2019年58本目
Punch

Punchの感想・評価

4.4
めちゃくちゃ面白い。
MNDIS

MNDISの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

2012年頃に書いてた感想。


黒沢清の『トウキョウソナタ』を観た。

黒沢清に魅力は感じなかったし、作品自体も『空中庭園』と被っている感じもして、あまり興味はなかったのだけど、借りたい作品がなかった為、借りてみました。


序盤は、よく語られるテーマ「バラバラな家族」。

そこは面白みもないが退屈でもない、そんな感じで続いた。

・次男が初めてピアノの先生の家に開けっ放しにされたリビングのドアから上がるシーンの後に、閉められた、この家庭の家のリビングの画がくるのは、閉鎖的な父親が仕切る家庭を表している気がする。
違うかもしれないが、面白いかも。


つかみの様な所がないまま中盤まで観てしまった為か、家の中の映像に意図的に家の仕切りなどが映し込み、家を狭く見せるという事に注目しないで観てしまった。(監督談)


後、外国人が脚本が主に担当しているせいか、所々、リアリティーのない?マークのシーンがあった。

リストラされて直ぐにスーツ来た男がホームレスと共に配給の並ぶのはアリなのか?

小学生が無賃乗車で、あそこまでの扱いを受けるのか?

清掃員達が客に見える所で着替えるのは、意図は分かるがあり得ない。

とくに上の2つは知識がないので、イマイチ、リアリティーがあるのかないのかも判断出来ないが、違和感があった。

・デパートの掃除のオッサンの仕事の説明。
納得出来ない説明、仕事にプライドを保つ為にややこしくされた説明。
簡単じゃないんだぞ舐めるなよというプライドが感じられた。
そんな彼はかつてのプライドを捨てられず、スーツで家に帰る。


・役所光司が間抜けな強盗として登場するシーン。
そこが面白くて、急に魅力的な映画に感じた。

『バッファロー66』の誘拐シーンともろ被りなシーンなんだけど、可笑しく可笑しく笑ってしまった。

強盗犯は、上っ面のプライドだけの夫とは逆で正直な人間。
だから、夫と比較させる為にもリビングのドアから情けなく家に侵入する映像があれば、夫との比較が出来たんじゃないだろうか?と思った。


というか、この映画を観て。
小泉今日子の魅力が凄い出ている映画だと感じた。

影があり、肝っ玉がすわっていて、どこか色っぽい。

そんな彼女の魅力が存分に出たシーンがこの強盗犯とのシーンだと思う。

オープンカーの屋根を開き走り去るシーンは、この映画で一番好きなシーン。


この編で父親、母親、次男、三人とも何かから逃げる、そして何かにぶつかり、今までの自分が壊れ生まれ変わるといった演出が続く。
しかし、次男のシーンだけ、生まれ変わる様ななショックが感じられない。

それに警察署のシーンは上に書いた様に無理矢理感がありリアリティーがない。



・ラストシーンが良い。
自分の価値観にない息子達の考え、ここでは、次男のピアノ(長男の軍隊志願)。
それを観て自分の価値観が越え純粋に感激する父親の姿に胸を打たれました。

そして、あんなボロボロだった家族を羨ましく、少し不思議そうに見つめる試験場の人々。

見せびらかす訳ではないけど、どこが家族が誇りみたい物を取り戻した瞬間に感じた。


極端な所もあるが、凄く良い作品だと思う。
ささき

ささきの感想・評価

4.5
さまざまなものが瓦解してまた集積するまでを描いた物語。
高慢って誰も幸せにしないなと痛感。他者も自分も苦しめる。
ユーモラスなシーンが全くないまま後半へと突入し、息苦しくなったときに登場した役所広司がナイス。笑
ラストに向かう前の小泉今日子。海辺での美しさ。
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