赤尾慎之介

海と毒薬の赤尾慎之介のレビュー・感想・評価

海と毒薬(1986年製作の映画)
3.9
狂気とは何か。その時代、その空間に生きる者の大部分が侵されていても、それは狂気と呼べるのか。そのなかで唯一、正気を保つ者は、むしろ狂人扱いされるのか。

おそらく遠藤周作は、その時代、その空間に左右されることのない倫理・哲学の重要性を訴えたかったのだろう。そして、それこそが信仰であると。

『白い巨塔』にも通ずるところのある作品。若き日の尖った渡辺謙、朴訥とした奥田瑛二を楽しめる。
赤尾慎之介

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