1945年第二次世界大戦のなか起った
九州帝国大(九州大学)生体解剖事件
その実態を遠藤周作氏が「海と毒薬」
として出版
幼い頃、九州大学の建物を見るたび
「なんて広くて、大きくて、古くて立派な建物なんだろう…」と思っていた。
でもこの立派な建物で、そのような恐ろしい事件が行われていたと知った時は、かなりショックを受け、初めて「海と毒薬」を読んだ。
何度も何度も読んだ。
今回、初めてこの映画を鑑賞。
アメリカ軍捕虜を生きたまま解剖して
8人の犠牲者を出した
いくら戦時中とはいえ、
なんとも受入れ難き事実です。
奥田瑛二氏が演じる勝呂
彼は生体解剖中、恐怖のため
ただ傍観するしかなかった
渡辺謙氏が演じる戸田は解剖中
「生々しい恐怖、心の痛み、
激しい自責の念を感じない」
自分に驚いていた
受入れ難き事実を目の当たりにすると
人は心を殺してしまうのか
解剖に立会った軍人は解剖後
所望した肝臓をどうしたのだろうか?
人を助けるための医者が
病院内の権力闘争や
医療の発展のためと平気で
生きた人間を殺してしまう
人間の倫理観を問われるが
生と死の間で生きていた戦時中
人の倫理観などという意識は
麻痺していたのかもしれない。
現在は、あの広い土地
何か新しい街でも出来るのか?
九州大学は跡形もなく崩され移転した
4月にはこの生体解剖の事実を
証言し続けた東野氏が亡くなった
この事実は遠い過去の出来事として、
忘れ去られるのかなぁ…