あおいことり

フライ,ダディ,フライのあおいことりのネタバレレビュー・内容・結末

フライ,ダディ,フライ(2005年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

持ち点1.0±
★演者 0.5
★演技 0.5
★脚本 0.25
★感情 0.5
★評価 0.25

※再鑑賞
鈴木さんと娘、スーシンのそれぞれが恐怖を乗り越える物語。対決シーンはあるが暴力に暴力で対抗する物語ではなく、自分の中に勇気を感じたら相手と戦わなくても良いと何度もメッセージがあった。

小説を読んだのは20年前。映画の公開当時は原作と比べて良い評価をしなかった。記憶がリセットされた状態で再鑑賞してキャスティングの良さを改めて感じた。堤さんと岡田君の演技が上手い。二人の関係性が非常に良かった。またバスの運転手と乗客の俳優がわりと豪華だなと思ったら仕掛けがあって楽しめた。有名人の暴行事件。うやむやにする設定は今の感覚と少し違って時の流れを感じる。木の上で語り合うシーンは良いけどCGは当時から今ひとつ。

《備忘録》
スーシンと鈴木が校庭で出会うシーンが運命的な出会いに思えた。
スーシンが意識を集中させ両手を広げて前へ歩む真っ直ぐな線。石原と対峙するため意識を集中させようとぶつぶつ言いながら学校を突き進む、鈴木さんの真っ直ぐな線。線と線之交わる感じが校庭の真ん中でただ対峙するよりも良いなと思った。

帰路に向かうリーマンを乗せたバスと走って競う鈴木さん。病院の帰りに鈴木さんもこのバスに乗車している。

目的達成は無理かもしれないけれどやり遂げたいと思う自分。バスがあの時までの自分だとしたら、終着点まで走ってバスだって抜かしてやる。そんなバスのシーンで暗い場所から一つの決意をして走り出す鈴木さんの勇気や成長がわかる。

長い道のりの間に何度負けても少しずつ変化していく姿、理屈抜きの挑戦に触発されて応援者が増えていく様子、目的達成の喜び。応援してる人達の手に汗を握る感じも楽しかった。

ゾンビーズ…何で窓から遥にアプローチしたんだっけ?小説を読み直したい。
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