ショウコ

洗礼のショウコのレビュー・感想・評価

洗礼(1996年製作の映画)
3.6
「見た目は無垢な少女、頭脳は狡猾なオトナの女」ってのを本当にやっちゃった映画。まさか脳ミソをそのまま移し替えるだなんてコナンくんも真っ青です

ギーガーを意識しまくってる、脊椎のボコボコをお洒落にあしらったタコ壺みたいな脳ミソ吸引マシーンが出てくるんですけどここの描写が異常に良く出来ています。頭皮に切れ込みを入れてめくり、頭蓋にドリルで穴を空け、薄い皮膜を剥がし、機械の爪が脳を掴む。片っぽは保存され、片っぽは床にポイされてペシャっと崩れる…

いやいやそこまで求めてないから省略しても大丈夫っすよ!と羽交い締めにしたくなるほどの半端ないコダワリ。脳幹を引き摺り出す所はさすがに千切れるだろとは思いましたが、96年という年代を思えばジグソウの解剖シーンに迫るクオリティです素晴らしい💮
しかも、クライマックスに持ってきてもおかしくない所なのに前半でサクッとやっちゃう。配分大丈夫か?



でも話のメインは後半らしく、文字通りの「オトナ少女」が人生をやり直すべくピアノの先生を誘惑したり罠を仕掛けたりする。今村理恵っていう女優さんなんですね、恐るべき美少女っぷりに見てて薄ら寒くなりました。ドンデンに次ぐドンデンにポカーンとしちゃいましたが、サスペンスドラマよろしくエピローグで刑事の説明が入るなど分かりやすさには気を遣ってくれています。全自動脳移植マシーンというファンタジーの落とし所もこんなとこじゃないでしょうか👏

俳優さんはみんなめっちゃ彫りが深い。外国人も出てたし、小道具など西洋憧れがそこかしこに滲み出ていてなんだか微笑ましいです。大仰な台詞回しやアクションの野暮ったい繋ぎなど、古臭いところもありますがいいもん観せて貰えてトクした気分

読んだ事ないけど、ザックリ調べてみた限りやっぱ原作の方が面白そうですね
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