ざきを

タクシードライバーのざきをのレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
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ベトナム戦争からの帰還兵トラヴィス。
国のために戦いに行ったのに、帰ってきたらそんなこと知らないクズばかり。クズが自分より楽しく明るく生きている。なぜそんな奴がのさばっているのか辟易していく。

そんな街中をタクシードライバーとして闊歩していくうちに、正義のない戦いから帰還した男には歪んだ正義感が生まれていく。

自分の存在を誇示するためのトラヴィスの行動の一つ一つが怖くて、ずっとビクビク観ていた。最後のバックミラーのいじり方、あれは色々考察ができてなかなか興味深いラスト…

私たちは簡単に悪を作り出せる。
でも悪を作り出さないこともできる。
私たちは正義を正しい側面で見ることができているか?
もしかしたら悪を正義として見ていないか?
いやいや、むしろその悪は正義なんじゃないか?
ベトナム戦争の傷跡が深く残る、アメリカンニューシネマらしい、暗く考えさせられる作品でした。
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