すずき

タクシードライバーのすずきのレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
3.3
元海兵隊の底辺負け組タクシードライバー・トラヴィスが、ニューヨークの喧騒と腐敗にフラストレーションとキチガイゲージを溜め続け、ついには爆発してしまう映画。

序盤は盛り上がらず、少し退屈な所もあったが、中盤以降に銃を手に入れるあたりから面白くなってくる。
最終的にはジャケット画のようなモヒカンスタイルになるのだが、トラヴィスは「ヒャッハー!」な感じのキチガイではない。
彼の場合は真面目系キチガイなので、その奇行が所謂「シリアスな笑い」になっている。
そんななので、テンション高い映画を見たいならオススメ出来ない。

音楽は超カッコいい!ジャズっぽいんだけど、あんまり聞いたことのない感じで異様な雰囲気。
調べてみたらヒッチコック映画の音楽を担当した人なのね。
どーりでどことなく、ヒッチコックっぽいと感じるわけだ。

しかしラストはほとんど無理やりにハッピーエンド。
あれだけの事をしてお咎めなしなのは、当時の時代感か。
トラヴィスは実は死んでてラストシーンは死にゆく彼の妄想、ってほうがしっくりくるんだよなぁ、アメリカン・ニューシネマだし。