ミーミミ

タクシードライバーのミーミミのレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
5.0
子どものころ、3つ上の兄がよく観ていた『タクシードライバー』

一緒に熱く観てて、兄が観なくなってもひとりで何度も観ていたな

子どものころの印象は、道路の溝からの蒸気に霞む黄色のタクシー。ネオンに集まる人々。アイリスのろうそくの部屋。明るい表舞台の選挙活動。トラビィスの狂気。モヒカン。

なぜだか選挙事務所のベッツィーの存在はすっかり抜けていてびっくりしたよ

トラビィスの背景にあるベトナム戦争。それが大きな影を落としていたのも、子どものころはわからなかったな

腕立て伏せしてるトラビィスの背中の傷。不眠症。病んでいるのは、トラビィスだけじゃなく、NYの街も、アメリカも。みんなもがいている。

わたしは、表層しか知らない。その頃はNYは犯罪が蔓延る街。地下鉄なんて乗っちゃダメっていわれてた。タクシーも危ないと。

親とNYに行った時、マジックミラーで外からは見えないバスでスラム街の観光をした。
ひどいよね。ひどい…

当事者の気持ちは想像力で補う?

うーん。心底わかるなんて失礼な話で。到底ムリなんだよ。

帰還兵の疎外感…。孤独…

どんな…だろう


ただ『タクシードライバー』はその時の空気に溢れている。

わからないながらも、その空気を身を浸して、トラビィスに想いを馳せることはできるのかなぁ

少しの期待を込めて、再見です。
ミーミミ

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