ペーターの意地悪

タクシードライバーのペーターの意地悪のレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
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タクシーで回る夜の街や音楽が良かった

ある意味では世間知らずな若者の、まじめで偏狭な正義感と狂気は隣り合わせなのかもなあ、と思わされるのだが、それは「世間」にはびこる欺瞞や政治への不満や生活の閉塞感などを多くの大人たちが都合よく見過ごしたり違和感なく受け入れているという事実の裏返しでもあるのかなあとも思わされる展開だった

最後の「凶行」として片づけてしまうしかないような、「変わってる」若者の行動が、一転して善行として評価が逆転したかのようにもてはやされるという、社会のもつ皮肉で奇妙な感じが上手いなあと思った

それも、ロバートデニーロの若者らしい誠実で照れたような、一方ではどこか屈折しているような表情・演技が良かったということが大きいのだろうなあ。

おじさんになってから見たらこういう作品はなにがおもしろいかぜんぜんわからなくなるのかもしれないともおもった