ベトナム帰還兵の孤独と普通の生活に戻れない実態が、この作品によく現れていた。国の為に尽くした見返りが無く、トラウマと背中合わせの日々。
どんな事をしても恐怖から逃れられず、好きになった人にも上手く接する事が出来ずに敵意を抱いてしまう。
何かをしなくては。
体を鍛え、銃を手に入れヒーローになろうとする。
勝手に思い込み、12歳の少女を売春から手を洗い普通の生活に戻そうと、売春組織の元締めを殺し少女を救いヒーローとなった。
少女の親から感謝の手紙、ペツィーとの再会はトラビスの妄想だったのだろうか?
キング・オブ・コメディーも狂気に満ちた主人公だったがこの名作も同様、戦争が産み出した狂気を見ることが出来る。最初のデートでポルノ映画見せるなんてイカれている。そりゃ嫌われるって。それを理解出来ない人間を作り上げてしまった戦争を我々は理解する事が容易ではない。戦争体験者では無いからね。
見る毎に恐怖を増す作品だと思う。
トラビスの寂しさを感じているときにはジャズが使われ、狂気に満ちている時にはいかにも恐ろしい曲を使うという対比も面白い。
シビル・シェパードが美人過ぎ。
雨は歩道のゴミを洗い流してくれるから良い