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タクシードライバーのericaのレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
3.6
ジョーカー予習③

ベトナム帰還兵の孤独と狂気。

同じくベトナム帰還兵を描いた作品として「ランボー」を思い出すけど、PTSDに悩み孤独を抱え社会に居場所を求める姿は、ランボーもトラヴィスも似ている。

「ランボー」は、作品自体も彼自身も非常にわかりやすかった。
"怒り"が生まれる状況も、"怒り"から暴れまわる心境も、まぁ破茶滅茶ではあるけど納得はいく。

「ランボー」で"怒り"が描かれる一方、今作では"狂気"が描かれるが、これが私にとっては理解が難しかった、、

この"狂気"が、ニューヨークという街や戦争の経験が生んだ、と押し付けられているように感じてイマイチ乗れなかった。。

だって、趣味の悪い(というかもうあり得ない)映画を初デートに選んだ挙句逆ギレするというのは(他にも色々あるけど)、もう陰鬱な街の雰囲気のせいでも戦争の経験のせいでもないのでは…?
もうそれはセンスとか価値観の問題じゃないの?笑
普通にサイコパスとしか思えない。
だから、自分のやる事なす事がうまくいかないフラストレーションの捌け口を世の中へ向けるのはお門違いだと思ってしまう
このおかしさを楽しむ映画なのかな

「キングオブコメディ」のルパートの"狂気"にはすごく入り込めたのに、、何でだろう。
トラヴィスには1ミリも感情移入が出来なかったからかな

ただ一つ言えることは、みんな揃いも揃って不器用すぎるということ。。笑

色々言ったけど、BGMの美しいサックスの音色とニューヨークの陰鬱な雰囲気がすごくマッチしていて感動した!
それだけでも観て良かったと思う!!
そしてまたしてもロバート・デ・ニーロの怪演に圧倒されました。。
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