湯林檎

タクシードライバーの湯林檎のレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
4.0
正義と狂気は一体なのか? 
真面目に生きていると闇に飲み込まれるのか?
そんな一筋縄ではいかない社会の疑問を見事に描いた作品だった。

純粋な心は決して悪いものではないし思いやりや優しさは大事であるけど決して世の中は綺麗なものではない。時には汚い世界に生きる人間と接触してしまうかもしれないし想像を絶する出来事に遭遇するかもしれない。そう言った人間との接し方や善悪を見極める力を日頃から鍛えておかないと今作のトラヴィスや少女の娼婦アイリスのようになってしまうわけで。。。これは男女関係のこともそうで、トラヴィスが熱心にベツィを口説くつもりでも嫌われる言動ばかりしていてそれに気づかないのは正直言ってトラヴィスの過去に問題がありそうだと思った。

役者たちの演技については今やハリウッドを代表する名優ロバート・デ・ニーロとこちらも名女優のジョディ・フォスターの巧妙な演技と役作りは観ていて圧巻された。前に何かの記事で読んだけどジョディ・フォスターはこの映画のアイリス役のせいで熱狂的なファンからストーカーされていて苦しんでいたそう。そう思うと、芸能界で子役として活動することもある意味娼婦の仕事と似ているのかもしれないと思い腑に落ちてしまった。
湯林檎

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