「大統領候補を殺した異常者」か「少女を助けた英雄」か。
大統領暗殺未遂事件など実社会にも影響を与えたスコセッシの社会派映画。
主人公トラビスの視点から、ベトナム戦争後の荒れたニューヨークを舞台に、トラビスの起こすある事件を描いています。この映画の凄いところは良い意味で世界観からドンドン引き離されていき、現代社会へと引き戻されるところ。
最初は多少トラビスには感情移入出来ますが、中盤辺りから独りよがりな部分が見えてきて、最後の方はまったく共感出来ない異常者へと変わっていきます。
そして最後のあの結末に落とすことで、観客にこのドラマの異常性を感じさせ、さらに「現実社会はどう?」と考えさせられます。
またこれだけ暗いストーリーにも関わらず観れるのは、ロバートデニーロ、ジョディフォスターなど素晴らしい演技があるからでしょうね。
監督、脚本、演者どれもがすばらしい作品でした。
自宅観賞2020#052