Osamu

転校生 -さよなら あなた-のOsamuのレビュー・感想・評価

転校生 -さよなら あなた-(2007年製作の映画)
4.2
水平が少し斜めに傾いている。特別な空間を観ていることを意識させる。

少年と少女の体が入れ替わる物語は、自身の痛みを相手の痛みに見出す、いわゆる「投影」を表現しているのかもしれない。「投影」が起きているとき、自身と相手のどちらでもあり、どちらでもないような空間で息をしている。

少し傾いた世界は、この世とあの世の、どちらでもあり、どちらでもない空間なのではないか。

そういう「あわい」の空間が描かれている。

原作は『おれがあいつであいつがおれで』。体が入れ替わってドタバタする話だと記憶していたけれど、おれがあいつを思い、あいつがおれを思う話だった。そう感じたとき、大林宣彦監督からのメッセージを受け取った気がした。

実際に作品の最後に添えられた監督のメッセージとサインはあの世からの声のように感じられた。
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