ハレルヤ

社葬のハレルヤのレビュー・感想・評価

社葬(1989年製作の映画)
3.5
国内屈指の大手新聞社である太陽新聞。突然の会長解任劇が起こり、そして社長の急死と波乱が巻き起こる。次期社長の座を巡る派閥争いを描いた社会派サスペンスドラマ。

学生時代の僕ならば間違いなく見ていないだろう作品。でも今では平社員という立場ながらも社会人という身分。本作で描かれている社内抗争もある程度分かります。なので興味津々で鑑賞しました。

会社版「仁義なき戦い」との声もある本作ですが、確かに派閥同士の探り合い、駆け引き、怒鳴り合いなどは任侠映画顔負けの争い。見応えありましたね。

ただ時々挟まれる中途半端なコメディやラブロマンスは余計。雰囲気が重くなりすぎないようにするためかもしれませんが、個人的には社会派サスペンス一本の方が全然良かった。

緒形拳演じる主人公のキャラクターも中途半端。会長派でもなく社長派でもない中立の立場だからか、あれこれ左右されっぱなしだし、硬派な人間のはずだけど不倫してるわで芯がブレブレ。緒形拳自身は割と良い俳優なのにキャラの扱いが勿体なさ過ぎる。

本作の見所の1つは佐藤浩市。次期社長候補である社長の息子を演じていて、当時29歳とは思えない貫禄を感じました。今の活躍に通じる存在感の大きさがありましたね。あと当時20歳の井森美幸も出ていて、笑ってしまうくらいの棒演技でしたが出番ほぼ無かったのでギリギリ許せます。笑

冒頭の「新聞はインテリが書き、ヤクザが売る」というテロップもインパクトがありましたし、30年前の会社勤めの様子も、今の時代と違う感じで色々と興味深く見れました。
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