shibamike

逃走迷路のshibamikeのネタバレレビュー・内容・結末

逃走迷路(1942年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

スクリーンいっぱいに映るシャッターに怪しい男の影がゆーっくり動く。
オープニングのカッコいいこと、カッコいいこと!「こら、何かあるで!」という期待通り、何かある。

あらぬ罪を疑われるサスペンス!逃亡中や取っ組み合いでのアクション!人を信じるか否かの心のふれあい!内容盛り沢山の本作。

軍用機工場にて火災発生。親友を失ったバリーは無実の身ながら、犯人として追われる身に。真相追及の道中、悪の親玉に会ったり、冒険を供にするヒロイン パットと出会ったりと、映画「三十九夜」を思わせる流れ。

バリーとパットが出会うのは山に住む盲目の叔父の家。盲目の叔父はバリーが悪人ではないと断言する。ニュース報道を信じるパットは「国民の義務だ。」とバリーを警察に引き渡すことを譲らない。そんなパットに叔父が、「時には法律を無視するのも義務だ。」と一喝。民主主義では国民が1人1人考えることが必要であるが、「国民の義務」や「何が何でも法律遵守」というのは思考放棄に至ってしまう危険性をはらんでいる。盲目の叔父はその危うさを克服していた(レベル高すぎんよ!)。悪の親玉トビンは全体主義の世の中を望んでおり、一部の優秀な選民が愚民を導く、という理想を持っていた。これは、まさに思考放棄した大衆こそトビンが望む大衆の姿であり、危ないぜみんな!ここら辺、ネットの解説まんま受け売りのパクり。

ソーダ・シティを目指す途中でサーカス団一向に出会うバリーとパット。困っている人を助ける、というハートフルシーンである。バリーとパットは善人であるから、サーカス団の人達は事なきを得たが、もし悪人だった場合、どうなっていたか分からない。こういう風にとにかく疑ってしまう自分には心にすきま風しか吹かないであろうよ。

悪の組織が次に計画していた船の爆破は、結局、船が転覆していたので悪の組織的には成功だったのだろうか?バリーもうちょい頑張れよ!

最後の見せ場、自由の女神像でのシーン。普通にハラハラドキドキした。どういう所が映画映えするか、ヒッチコックってよくわかってるよなぁ、と感心。ヒッチコックがインスタやってたらインスタ映えする写真の洪水でフォロワー数凄いだろう。

警察がとにかくポンコツに見えるので、ヤキモキする。
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