海老シュウマイ

ぼくらの七日間戦争の海老シュウマイのレビュー・感想・評価

ぼくらの七日間戦争(1988年製作の映画)
5.0
完全に懐古趣味と宗田理イズム、宮沢りえ、TKが好きなだけ。

今観るとvs大人の部分よりも、子供同士のやり取りにグッときてしまう。スポーツバカやガリ勉、デブ、金持ちキャラなど、典型的ではあるけれど、それぞれが自分の特性を出し合って解放区を成立させてる。
デブが料理で、眼鏡っ子がペイントで輝くパートも好きだし、大沢健の声が裏返る雨のシーンも好き。


超低評価のレビューに「こんな学校、教師達ありえない」というのがあって、そうなんだよありえないでしょ?でも、日本中の学校こんなだったんだよってのはある。

劇中で宮沢りえが校門を走ってすり抜けるカットがあるんだけど、あれおじさんはヒヤヒヤして観るわけ。実際に校門に頭部を挟まれて亡くなる事故があったんだよ。おじさんもめちゃくちゃ殴られたし、髪切られたし。
「ありえない」って言ってもらえるような世の中になって本当に良かった。その意味では本作が当時を切り取った記録として残っても良いのかも。

今考えると、「大人」たちがエンタメとして消費しやがって、こっちはそれどころじゃなかったんだよ!という気もしなくもないけど、当時、抑圧されていた側としては「ガス抜き」としてとてもありがたかった。
この映画のおかげで乗り切れたかもしれない。そこは映画の力としては認めないと。

現代の「ガス抜き映画」も切り捨てるばかりじゃいけないと再認識できた。新聞記者とか新聞記者とか新聞記者。

もちろん、
ガス抜きではなく、当時の自分も劇中のように行動できていたら人生変わっていたと思う部分もなくはないけれど、自分の場合、クラス委員で校門に立つ側にいて、まさしく体制の犬だったわけですよ。
単純に朝早くてめんどくさくてそれに遅刻して行くと教師に殴られ、当時好きだった副クラス委員の女子(大島優子似)に罵られるわけですよ。宮沢りえがクラスメイトに啖呵切るシーンのように。

まぁ性癖ゆがむよね(映画の話をしてください)