たらこパスタ

暗殺のオペラのたらこパスタのネタバレレビュー・内容・結末

暗殺のオペラ(1970年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ面白かった!!!!好き!!!

カメラの動きと人の動線が作る予定調和感が視覚的にも面白く、タラの街の持つ人格と外部の時空から切り離されたイメージを強く印象付けていたと感じました。
私たち観客が見るのはカメラが写し出す空間で、そこにある時間の流れを体験していて、しかしカメラが移動した先にある空間では先ほどの時間の流れから予測される出来事よりも一歩先の出来事ではないのかと思わせるような予測を裏切る瞬間が捉えられる というカットが多数存在していて、連続した空間内で時間の進み方が違うような錯覚を起こしました!このカットからタラの街の人々、ひいてはタラの街自体に欺かれている様な印象を序盤からずっと感じます!
回想シーンで現在のタラの街の住人たちと過去の当人の見た目に経年変化がないことと、顔も名前も同じアトスマニャーニ父子によってタラの街の中で20年間の時間が閉じ込められそれらが混在し澱んでいる印象を受けました!
また、この演者が同じで20年前と現在を演じることや、空間に響く効果音みたいな短めの劇伴の挟まれ方、街を上から照らす照明の多さ、殴られる・踊る、などのアクション度が高い行動の時にカメラワークやカット割などを行わずに動作をみせる部分などから、街全体が劇場で住人たちが演じる劇という物語への説得力が常時高かった!!!

時空の異質さ以外にも、子マニャーニ視点での住人たちの言動に対する信頼度の不安定な揺らぎを、観ているこちらとしても同じように感じて先の展開がずっと気になりあっという間でした

全体を通じて、視線誘導、導線の交差タイミングの気持ちよさ、騙し討ち的なはっとさせられる動きが起こる瞬間が多くて求心力が強くとても面白かったです!
あと、色がびっくりするくらい鮮やかだし照明がとても綺麗でそれも魅力的でした!
たらこパスタ

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