ハレルヤ

暗殺のオペラのハレルヤのレビュー・感想・評価

暗殺のオペラ(1970年製作の映画)
3.7
イタリアの田舎町を舞台に、レジスタンスであった父親の暗殺事件の真相を追う息子の姿を描いたミステリー。

監督は巨匠ベルナルド・ベルトルッチ。当時若干29歳という若さで本作と同時期に「暗殺の森」を作り上げるという恐るべき才能を発揮しています。

その後も「ラストタンゴ・イン・パリ」「1900年」「ラストエンペラー」と、彼の活躍は止まることを知らず。本作ではその片鱗がしっかりと感じられましたね。

美しいイタリアの田園風景をバックに、父親の死の理由を追求する主人公。その謎が明らかになる終盤のオペラシーンは本当に秀逸と言えるほど見事な演出。

そしてカメラワークの良さが際立つ場面が随所で見られ、誰が撮影してるんだと思って調べたらヴィットリオ・ストラート。「地獄の黙示録」でもオスカーを受賞するほどのカメラマンであり、ベルトルッチ監督とも何度もタッグを組んでいる撮影の部門に置ける大御所。

ただの会話の場面だけでも撮り方にセンスが感じられ、画面に映し出されるイタリアの田舎の美しさも息をのむほど。その映像だけでも見応えは十分あるでしょう。

それほど大きな起伏がある映画ではありませんが、細かいところまで監督の拘りが行き届いている作り込みようが見られますし、映画ファンの関心を引くような仕上がりになっていると思います。
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