よう

河内山宗俊のようのレビュー・感想・評価

河内山宗俊(1936年製作の映画)
4.0
現存する山中貞雄作品の2本目。
どうしようもない弟が引き起こす厄介沙汰を描いた人情もの。
ちょっとしたアウトローたちの話でもあって、西部劇的でもあるかなと。

小柄をめぐるエピソードは喜劇的。競りで張り合うあのコンビが出てくると可笑しみが漂う。
小柄を盗まれた大膳はちょっと可哀想ではあるけど、なりすまし展開はナイス。
宗俊と金子、呑みすぎだろ😁
一方、ろくでもない弟・広太郎とその姉・お浪のパート、および三千歳のくだりは切ない。
三千歳のくだりは二つシーンカットされてるようだけど、広太郎だけがああなってからのくだりには彼のふがいなさが際立つ。
原節子さん演じる姉をかわいいからって皆がひいきしすぎる印象はあるかなと思ってると、ちゃんと嫉妬を向ける人物の存在が。
自分は、広太郎やお浪を嫉妬する人物にも少し思いが向く。

ラスト、ここで終わるのか。こういう終わり方も好きではある。
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