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ランブリング・ローズのSIのレビュー・感想・評価

ランブリング・ローズ(1991年製作の映画)
5.0
2021.8.14
自宅TVにて鑑賞

1940年代。のどかな南部の5人家族である主人公一家のもとに、売春宿から逃げてきた性欲過多の少女がメイドとしてやってくる。父への純愛、まだ少年だった主人公との肉体関係、夜な夜な家に連れ込む間男たちとのセックス、逮捕、性病などに苦しみ父に売春宿に何度も戻されそうになるも、母親の深い理解に助けられ、少女は幸せな結婚に至る。30年後、大人となった主人公は彼女の訃報を聞き、彼女から得た「女性が求めているのはセックスではなく愛」という教えを噛み締める。

傑作。笑って泣けてエロいという三拍子。
とんでもなく面白かった。前半まではドタバタコメディ。コミックリリーフと思っていた母親の主張が次第に説得力を増していき、そこからは泣けるヒューマンドラマへ。うますぎる。
性欲過多の迷える少女というキャラクター造形が良い。最初は茶化しても、うまく着地させるのが流石。
テーマは「女性の性欲」。タブー視されているテーマに30年前に切り込んでいく勇気。

冒頭のオープニングクレジット。花がゆっくり開いていくのを長回し。
後から観返して、なるほどなと。
一番印象的だったのは、父に振られた直後、ローズが主人公のベッドにやってくるシーン。
ローズの胸を揉んでみたりしつつ、全く会話が噛み合わない主人公とローズ。父の素晴らしさを話し続けるローズと、女体にしか興味がない主人公。これは、名シーン。
南部の雄大な自然のインサートも良い。素晴らしい。

一家のもとにやってくるヒロイン・ローズ役のローラダーン。
手足長く、何を考えているのか読めない表情。それがまた良い。
「恐るべし尻の軽さだ」ロバートデュヴァルも晩年のハマり役。

明るい音楽がコメディ気分を盛り上げる。どことなくあった切なさが次第に強まる。うまい。

大好きな映画でした。もう一度観ます。
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