ブロードウェイの父ことジョージ・M・コーハンの半生を描いたミュージカル。
といっても史実とはかなり異なっているらしく、これは主演のジェームズ・キャグニーの藝を楽しむ作品だと思っている。
今までのギャング映画のキャグニーと違って、本作品のコーハン役は己のパーソナリティをかなり抑えて演じている。
その分、印象的なのがアステアやケリーとも違う独特なダンスで、確かビリー・クリスタルだったと思うが、まるで独楽が回っているようだと評していた。
また瞬間的にくり出すアドリブ藝も見事で、階段でのタップも台本には無かったらしく、いきなり本番でやって、カーティス監督らみな面食らったという。
真珠湾攻撃前後に製作された作品だけあって終始、愛国心を鼓舞する内容になっている。
ラストの「オーバー・ゼア」での大行進など印象深いシーンも多いが、「偉大なるアメリカ」が強調しすぎて、正直いうと、個々のでは好きなシーンも多いが作品全体としてはあまり好きになれない(時代性を考えると致し方ないが)。