菩薩

淑女は何を忘れたかの菩薩のレビュー・感想・評価

淑女は何を忘れたか(1937年製作の映画)
4.1
女中を雇いろくに家事もせんと旦那の稼ぎで飯を食い、日がな気の知れた友人とペチャクチャお喋りに花を咲かせ、週末には旦那をゴルフに追い出し自分は歌舞伎座(かな?)で観劇、挙句大阪から遊びに来た姪っ子には嫁入り前の娘はこうあるべきだと杓子定規な考え方で叱りつける増長しまくった嫁さんが旦那に鉄槌を喰わらされる話、ってまぁ旦那も嘘ついてバレて詰問されて逆ギレってまぁまぁ情けないわけだけど。まさか小津映画の中にゴー☆ジャスの元ネタを発見することになるとは思わなかったし、未だになぜ我がiPhoneは「ゴー」まで入れると「ゴー☆ジャス」が予測変換に出て来るのがサッパリ分からない。突貫小僧が相変わらずいいポジション、彼が口ずさむこの作品のテーマソングとも言える軽妙なメロディが耳に残る。淑女は何を忘れてしまったか、また夫婦は何を失ってしまったのか、これ戦前だからだいぶ笑い話にもなるけど、今だと結構胸にイヤーな感情が巡るのでは…でもまぁ当然面白い、夫婦の形は今も変わらず、喧嘩するほど仲がいい、って事にとりあえずしておこう。雨降ってTHE、違った地固まる、ビンタされて惚れ直すとはだいぶドMな嫁さん、ラストは妙に色っぽい。三越のエレベーターガールを捉えるショットがカッコいい、上原謙が本人役でカメオ。
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