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花蓮の夏のchakoのレビュー・感想・評価

花蓮の夏(2006年製作の映画)
4.0
台湾東部の花蓮県を舞台に友情と恋の狭間に揺れ動く三人の男女の三角関係を描いた青春映画。

二人が出会った小学校時代
三人が出会った高校時代
彼への、彼女への想いに気付き、
次第に離れていった大学時代

自分の中で台湾映画✕青春に外れなしと分かってはいたけれど、
あぁぁぁぁぁぁーーーー!!
もう何これ、切なすぎる!!
始まって数秒足らずでこれは好きだと確信した。

同じく男女の三角関係を描いた「GF*BF」といい、台湾映画の描く三角関係はどうしてこうも切なく、美しく見えるのだろう。

内に秘めた想いに悩みもがくジェンシン
親友と好きな人のどちらも失いたくないショウヘン
そんな二人を見守るホイジャ

永遠に交わる事のないの一方通行の想いが、ただただ切なかった。

また三人は、
ジェンシン=惑星
ショウヘン=恒星
ホイジャ=彗星
に例えられていて、それだけで三人の関係性が感じ取れる。

そして主要キャスト三人の演技はどれも素晴らしく、中でもブライアン・チャン演じるジェンシン
口数は少ないけれど、瞳や表情だけで彼の抱える苦しさや切なさが伝わってきて何度も胸が締め付けられる。

高校時代の自転車の二人乗り
大学時代のスクーターの二人乗り
いつも数センチ先のショウヘンの背中を見つめる彼の表情が切なかった。

一方のジョセフ・チャン演じるショウヘン
ショウヘンはずるい。
子供の頃から問題児で嫌われ者だったショウヘンにとってジェンシンはただ一人の親友で、唯一無二の存在だった。
だから失いたくなくて繋ぎ止めておきたくて、その結果が・・・
けれど、繊細で不器用で子供と大人の分岐点でどうしようもなくもがく若者たちが私は割りと好きだったりするので、そんなどうしようもなくわがままで身勝手な彼も私には愛おしく思えた。

そしてそれぞれの想いが絡まって、全てをぶつけ合った衝撃のラストシーン
彼らの表情と、打ち寄せる波の音がいつまでも耳に響いて離れない。

美しい台湾・花蓮の風景、夏の瑞々しさを感じる青みがかった独特の映像に、美しく幻想的なピアノの音楽
どれを取っても自分好みで、哀しいくらいに美しかった。

雨の日に静かに観たくなるような作品。アジア映画好きにはぜひ観てほしい作品です。